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  • 巨人と人間との終わりのない戦い

    [:ja][2015年8月号掲載記事] 進撃の巨人 1巻表紙。諫山創著。講談社発行 進撃の巨人 謎の巨人に襲われ、絶滅の危機に立たされた人間達が、巨人との終わりのない戦いに挑む物語。2009年に別冊少年マガジンで連載が開始され、現在も続いています。この作品でデビューした諫山創は発表と同時に注目され、2011年には講談社漫画賞少年部門を受賞しました。単行本の累計発行部数は4,400万部を超えています。 時は845年、繁栄を築いた人間は突然現れた巨人に襲われます。人間を食べる巨人から守るため、巨大な三重の城壁を造り、その内側での生活を強いられます。調査兵団が時々視察のために城壁を出ますが、巨人から被害を受けるだけで勝てる見込みはありません。10歳の少年エレンは壁の外の世界へ憧れを抱き、調査兵団に入りたいと望みます。 城壁内は100年間平和が続いていましたが、ある日巨人達が城壁を壊して侵入してきます。そしてエレンの母親が巨人に食べられてしまいます。助けることができなかった無念からエレンは復讐を決意。いつもエレンを見守る幼なじみの少女ミカサと共に訓練団に入団します。 それから数年後、エレンとミカサは優秀な成績で訓練団を卒業します。二人は志願して、巨人のいる壁の外を調査する調査兵団に入ります。エレンは固定砲の整備を行っているときに巨人に襲われます。足に傷を負いながらもエレンは仲間を助け、その身代りに巨人に食べられてしまいます。 エレンの死を聞いたミカサはショックを受けますが、戦う気持ちを奮い立たせて仲間を先導します。そんななか、巨人を攻撃する巨人が現れます。その巨人はミカサのピンチを救い、何体もの他の巨人を倒して力尽きます。その倒れた巨人の体からは、死んだはずのエレンが現れます。 エレンがなぜ巨人になるのかなど謎が解き明かされながら、物語は進んでいきます。単にヒーローが活躍するのではなく、悩み、苦しむ主人公の姿は読者の支持を集めました。また様々な伏線が張られているので、読み返すと新たな発見があるのも特徴です。韓国やアメリカなど海外でも発行され、高い人気が続いてい ます。 文:瓦谷登貴子[:en][From August Issue 2015] Attack on Titan, Cover of first issueWritten by ISAYAMA Hajime. Publisher…

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  • 高校生の友情と恋愛を描いた物語

    [:ja] [2015年7月号掲載記事] 君に届け 1巻表紙。 椎名軽穂 著。株式会社集英社発行 © 椎名軽穂/集英社マーガレットコミックス 君に届け 北海道を舞台に、見た目が暗い主人公が、クラスメイトとの交流で成長していく姿を描いた物語。2005年に別冊マーガレットで連載が始まり、現在も続いています。単行本は23巻まで発行されており、累計発行部数は2,600万部を超えています。 高校1年の黒沼爽子は、入学してから数カ月経つというのに友達がいません。本名ではなくホラー映画の主人公「貞子」と呼ばれ、周囲から避けられています。生徒だけでなく教師までもが、爽子は霊感が強く目が合ったら呪われるといううわさを信じています。 ただ一人、風早翔太だけは違いました。爽子に対しても他のクラスメイトと同じように接します。風早は入学式の朝、学校への道を教えてくれた爽子のやさしさに気づいており、みんながいやがる学級委員や雑用係を率先して行う彼女の姿に感心していました。 あるとき、クラスで肝試しが行われることになりました。吉田千鶴と矢野あやねは、爽子がお化け役をやれば盛り上がるのにと話します。それを聞いた爽子はみんなの役に立ちたいと志願します。千鶴とあやねは爽子の純粋でやさしい内面に気づきます。風早は、二人と交流する爽子を嬉しそうに見守り、また、クラスのみんなと仲良くなりたいと願う彼女を応援します。 席替えをきっかけに爽子の環境は変わります。爽子の近くの席になることをみんながいやがりますが、風早はくじ引きをパスして爽子の隣に座り、千鶴とあやねも爽子の近くの席に座ります。成績優秀な爽子が彼らに勉強を教えたことから、他の生徒の爽子を見る目が変わっていきます。 悪いうわさや誤解によって風早を避けてしまったり千鶴やあやねと気まずくなったりすることもあります。それを乗り越えることで彼らとの友情は深まり、様々な学校行事を通じてクラスにもとけこんでいきます。そして、爽子は風早を好きだという気持ちに気づくのです。 かつての少女まんがでは、平凡な主人公が魅力的な男性に見初められて両思いになり、ハッピーエンドというのが主流でした。この物語は、主人公が周囲に支えられながら自分の力で友情と恋を育んでいきます。 文:瓦谷登貴子 [:en][From July Issue 2015] Kimi ni Todoke: From Me…

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  • まんがやアニメが原作の専用劇場

    [:ja][2015年6月号掲載記事] ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」 -Petite Étrangère- © T・P/MSM2014   2.5次元ミュージカル 2015年3月、東京・渋谷にアイア2.5シアタートーキョーがオープンしました。ここは、まんがやアニメ、ゲームを原作としていて、原作の雰囲気やキャラクターを忠実に再現する「2.5次元ミュージカル」を専門に上演する世界初の劇場です。 2.5次元の舞台芸術は近年日本で上演が増えていて、観客の数も増加しています。2013年には約160万人以上の人が観劇しました。2014年には日本2.5次元ミュージカル協会が設立され、各公演情報を一括して国内外に発信するなどの活動を始めました。専用劇場のオープンもこの協会によるものです。 協会の公式サイトには英語のページもあり、海外からもチケットを買うことができます。また、劇場にはウェアラブル端末による字幕システムが用意されています。公演によって字幕言語は変わりますが最大4ヵ国語が設定でき、観客はその中から選ぶことができます。 「人気のミュージカル『美少女戦士セーラームーン』を公演した際、すでに2~3割のお客様が外国の方でした。専用劇場のオープンにより、もっと多くの外国の方に舞台を見ていただきたいと思い、字幕システムの導入を進めました」と協会の広報を担当する遠田尚美さんは言います。「ウェアラブルなので役者から目を離さずに字幕をお読みいただけます」。 日本では1974年に「ベルサイユのばら」がミュージカル化されるなど、まんがやアニメを原作とした舞台芸術は以前からありました。「まんがやアニメを原作とした舞台芸術の歴史は意外と古いのです。でも、このジャンルの舞台芸術が認知され始めたのは2003年に上演されたミュージカル『テニスの王子様』といえます」と遠田さん。 この作品は原作の雰囲気を巧みに表現してまんがファンに歓迎されました。球の動きをスポットライトで表現するなどの演出は演劇ファンにも好評でした。「まんがの世界を舞台上に表現するための『変換』がうまくいった良い例でした」と遠田さん。国内外においてまんがやアニメに対する評価が上がったこともあり、原作らしさを追求した作品が増えました。そして「2.5次元」という呼び方が生まれました。 「役者は原作のキャラクターをまねするというよりも、そのキャラクターの持つイメージを損なうことなく演じ、演出家も原作の世界観を舞台上に再現します。だからこそ観客は想像力を刺激され、欠けている部分を空想で補って原作そのもののシーンを舞台上に見るのです」と遠田さん。2.5次元ミュージカルは、「ライブ・スペクタクル NARUTO -ナルト-」がマカオ、マレーシア、シンガポールでも上演されるなど、今後は積極的な海外進出も予定されています。 一般社団法人日本2.5次元ミュージカル協会 文:砂崎良[:en][From June Issue 2015] Pretty Guardian Sailor Moon:…

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  • 日本のアイドル文化を世界へ発信

    [:ja][2015年6月号掲載記事] TOKYO IDOL PROJECT 2015年3月、日本のアイドル文化を国内外へ発信する「TOKYO IDOL PROJECT」がスタートしました。フジテレビ、コンテンツ事業局アカウントプロデューサー、濵田俊也さんは記者会見で話しました。「アイドルの魅力をアイドルファンの方だけでなく一般の方にもお届けし、2020年の東京オリンピックに向けて日本と東京の盛り上がりをお手伝いしたいです」。 記者会見には、でんぱ組.inc、アイドリング!!!、ベイビーレイズJAPAN、Negicco、HKT48の5組のアイドルも出演して歌を披露しました。そして、「日本各地にすばらしいアイドルがたくさんいるということを伝えたい」「アイドルを通して日本のよさを知ってもらいたい」と抱負を語りました。 日本の芸能界では多くのアイドルが活躍しています。たいていは2人組から数十人の女の子または男の子のグループです。美しさや歌、ダンスのうまさより、かわいらしさや親しみやすさ、がんばっている様子が人気となる傾向があります。最近は、特定の商品や地域のPRを目的とするご当地アイドルも各地にいて、アイドルの活動はますます多彩になってきています。 日本のアイドルファンの特徴は、パフォーマンスを見るだけでなく、好きなアイドルがより有名になることやグループ内で昇格することを熱心に応援することです。そのため、ファンを対象とした握手会などのイベントには多くの人が集まり、テレビで生放送されるほど規模が大きくなることもあります。アイドルやそのファンが起こすムーブメントは日本のポップカルチャーの一つとなり、外国、特にアジアでも人気が高まっています。 TOKYO IDOL PROJECTは、このようなアイドル文化をより盛り上げるために始まりました。アイドルの活動や魅力をテレビ、ウェブ、雑誌、新聞、ラジオなどさまざまなメディアで伝えます。取り上げられるのは主に女性アイドルで、主要コンテンツは現在のところ4点です。 その一つ「TOKYO IDOL FESTIVAL」は2010年から行われている大規模なアイドルイベントです。2014年は138組のアイドルが出演し、4万人以上の観客が集まりました。今年は8月1日と2日に東京のお台場で開催されます。 TOKYO IDOL PROJECT LIVEはTOKYO IDOL PROJECTの基幹コンテンツで、毎月日本の各地で行われる予定です。TOKYO IDOL WEBは記事の掲載やライブの動画配信などを行う世界最大級のアイドルポータルサイトです。コラムニストによるアイドル論を載せるなどアイドルの再定義を目的としているのが特徴です。TOKYO IDOL…

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  • 強くなりたいと願う少年の物語

    [From June Issue 2015] Is it Wrong toTry to Pick up Girls in a Dungeon?, Cover of first issue Original story: OMORI Fujino. Illustration: Kunieda.…

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  • まんがやアニメが原作の専用劇場

    2.5-Dimensional Musicals In March, 2015, AiiA 2.5 Theater Tokyo opened in Shibuya, Tokyo. It is the world’s first theater dedicated to “2.5-Dimensional Musicals,” that is…

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  • 北斎が生きた江戸を見る

    [From May Issue 2015] Sarusuberi, Cover of first issue Written by SUGIURA Hinako. Published by Chikuma Shobo Sarusuberi (Crape Myrtle) This story is about “ukiyoe”…

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  • 神になろうとした青年の数奇な運命

    [From April Issue 2015] Death Note, Cover of issue 1. Original story: OBA Tsugumi. Illustrated by: OBATA Takeshi Published by Shueisha Ltd. Death Note This…

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  • 痛快な学園ドラマ

    [From March Issue 2015] Gokusen, Cover of issue 1, Shueisha Bunko. Written by MORIMOTO Kozueko. Published by Shueisha Ltd. © 森本梢子/集英社 Gokusen In this comedy…

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  • まんが表現の可能性を広げたSF作品

    [From February Issue 2015] AKIRA, Cover of issue 1. Written by OTOMO Katsuhiro. Published by Kodansha Ltd. AKIRA OTOMO Katsuhiro’s masterpiece is regarded as a…

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