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都会の別世界―東京の庭園

日本の庭園様式は主に2種類に分類される。枯山水の庭と回遊式の庭である。前者は禅の庭としてよく知られており、主に川を表す掃きならされた砂と岩の組み合わせから成り立っている。枯山水の庭は京都など関西地区で多くみられるが、東京で目にするのは回遊式の庭が多い。

回遊式庭園に入ると、踏石が変化に富んだ景色へ導いてくれる。それらは人工的な小山、手入れの行き届いた松などの常緑樹、鯉が泳ぐ池と橋、石灯籠、あじさい、しゃくなげなどの花の茂み、さらに岩や苔、竹から構成されている。また、ほとんどの庭園には伝統的な茶室があり、感動的な景観が眺められるように配置されている。

東京には、皇居東御苑や新宿御苑、上野恩賜公園などよく知られた公園のほかにも魅力ある公園がある。

六義園

和歌をテーマにしたこの庭園は1702年に造られた。曲がりくねった小道は、和歌に登場するような景色を通り抜けていく。

おそらく、ここで一番高い丘(35メートルの富士見山)より見る景色がベストであろう。ここから中之島のある大きな池、石橋、見え隠れする岩群などが見下ろせる。季節ごとに趣が変わるので、一年を通していつ来ても印象深い庭である。桜は早春、あじさいは初夏、もみじは秋が見頃だ。

旧古河庭園

この大正時代に造られた庭園と建物は、六義園からほんの30分ほど歩いたところにある。そのため、二ヵ所を一緒に回ることができる。庭園に建てられたヨーロッパ式の邸宅は、イギリス人建築家ジョサイア・コンドルの設計による。コンドルはこの時期、東京の建築物に多大な影響を与えている。東京駅全体を設計したのは、彼の教え子の一人だ。

正門から邸宅に続くスロープには、西洋式のバラ園がある。さまざまな種類のバラが、整然と配置された円柱に植えられている。5月と10月が見頃。

旧古河邸は完璧な形で東西の融合が見られる。坂を下ると、小道が回遊式庭園へ導いてくれる。六義園よりかなり小さいが、鴨や亀、大きな鯉などがいる池の周りを散策できる楽しみがある。印象的な邸宅が背景に見えるように設計された場所もいくつかある。

浜離宮恩賜庭園

浜離宮恩賜庭園は東京湾に隣接し、園内にある潮の池は海水を利用している。かつて将軍の別邸であったが、後に皇室の離宮となった。今は、背景にそびえる汐留地区の高層ビル群との対比でよく知られている。地上は過去の日本にいる感じだ。そこではゆるやかに曲がった小道がぼたん園や小ぶりの松、梅、桜の木々を通り抜ける。

庭園に影を落とすビルの一つがカレッタ汐留タワーで、46階に無料のすばらしい展望スペースがある。そこにはレストラン、バーもあり、そこからは庭園とその先の東京湾も眼下に見られる。この庭園には水上バスの発着場があり、ここからお台場や浅草へ行く船に乗ることもできる。

小石川後楽園

ここは、東京にある庭園の中で最も古いもので、17世紀に徳川光圀(水戸黄門として知られる)が中国の学者の意見を取り入れて完成させた。そのため、庭園には中国の雰囲気があり、中国と日本の名所を縮小版にして造る試みがなされている。庭園には特に印象的な桜のコレクションがあり、春には花見スポットとして有名な場所でもある。

後楽園で気になるのは、遊園地が隣に建てられたことだ。ジェットコースターに乗る人たちからときどき発せられる叫び声は、静かであるべき庭園本来の目的にふさわしくない。

旧岩崎邸庭園

旧岩崎邸は和洋併置式の邸宅で、前には芝生の庭がある。この邸宅は三菱創業者、岩崎彌太郎の長男、久彌がイギリス人建築家ジョサイア・コンドルに設計を依頼した家である。庭園そのものよりはむしろ芝庭から見る邸宅の景観の方が感動的だ。

玄関前のシュロの木は、異国情緒を醸しだし、ベランダや閉じられた窓のある白い壁の邸宅を見ると、大英帝国時代のマレーシアにいるような錯覚に陥る。庭そのものは、芝生が広く続くシンプルなもので、かつては敷地が現在の3倍あった。芝生にはパラソルのついたテーブルがあり、最高の休憩場所だ。

(2009年6月号掲載記事)

 

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